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キャシー中島

「表紙の人」インタビュー

キャシー中島さん
これからのらし

PROFILE

キャシー中島

ハワイ生まれ、横浜育ち。10代でモデルデビューし、テレビタレントとして活躍。俳優の勝野洋氏と結婚後、子育てをしながらパッチワークキルトを楽しみ、その後、スクールを主宰。現在、全国8店舗のキルトスタジオの経営に携わり、タレント活動を続けながら、パッチワークキルトの創作や指導にあたっている。日本ではハワイアンキルトの第一人者として知られ、数々のコンテストで受賞。キルト関係の著書は60冊を超える。

取材・文/山中純子 撮影/大森忠明

物をつくる楽しさ、おだやかに流れる時間…
パッチワークキルトがくれた、たくさんの贈り物

一枚の布を折りたたんでカットしたモチーフが特徴のハワイアンキルト。デザインも色使いも、ハワイのまばゆい光や海のイメージ。

家族のためのキルトづくりがやがて、人に教えるように

バラエティ番組などで、はじけるような笑顔を見せていたキャシー中島さん。いまやパッチワークキルト界の第一人者として、大輪の花を咲かせています。
キャシーさんとキルトとの出会いは20歳のころ。コマーシャルの仕事でアメリカに行ったときのことでした。
「町を見て歩いていたら、店先に飾ってある美しいキルトが目に入ったんです。これは自分で作るものだと聞いて、そのお店で縫い方を少し教わり、布やテキストを持ち帰ったのが始まりですね」
ちょうどモデルからタレントへと移行しようとしていた時期でした。
「タレントの仕事って待ち時間がすごく長いんです。その時間がキルトづくりにもってこいだったというわけ。針を動かすのも好きだし、休みの日に縫いためたピースをつなげて一枚の作品にするのは、何より楽しい時間でした」
27歳のときにキャシーさんは、俳優の勝野洋さんと結婚。2年後に、静かな環境で子育てに集中したいと、静岡県の御殿場に移住します。
「そこで過ごした17年間は、私にとってすばらしいものでした。長女、次女に加えて長男も生まれ、私たち夫婦は自分の家族をつくることがうれしくて、田舎暮らしに夢中になりました。ふたりで庭づくりを楽しみ、子どもを遊ばせながら家事の合間にキルトづくりに精を出す、幸せに満ちた日々でしたね」
そんなキャシーさんに転機が訪れたのは、子どもの幼稚園のサークルでパッチワークを教え始めたことからでした。
「子連れOKの楽しい教室でしたが、生徒さんがどんどん増えていき、本格的にスタジオを開いてと、趣味が仕事になっていったんです。だけど、人に教えるのって意外に大変。次は何をどう取り上げようか、などと、次々に課題が出てきます。気がつくとプレッシャーが大きくなり、楽しさが半減してきました」
そんな折、キャシーさんはハワイでハワイアンキルトに出会います。これまで手がけてきたアメリカンパッチワークは、四角や三角に縫ったピースをつなぎ合わせていくものですが、ハワイアンキルトは、地の布とそこへ重ねるモチーフの布の2色があればできるシンプルなもの。
「これなら手軽にできるし、モチーフは植物の模様が多く、ハワイらしい温かみがあります。このハワイアンキルトをみなさんに紹介するのが私の使命だと思うと、またまた楽しくなってきました」

ライフスタイルは子どもの成長とともに変化するもの
これからは夫婦の時間を大切に、ますます自分らしく

「キルトを縫っているときがたぶん、いちばんおだやかな時間。誰かのために物をつくる喜びを知り、自分の世界が持てました」

個性的な子どもたちもそれぞれ道を見つけて

末っ子の洋輔さんが小学生になったころから、キャシーさんはタレントの仕事を再開。御殿場から東京まで車を運転して通っていましたが、45歳のときに、住まいとスタジオを再び東京に戻すことにしました。自分の体力のこと、子どもたちの進学やこれから社会に出ていくことを考えると、都会で得ることも多いのではないか、と思ったからです。
「御殿場での子育ては、最高におもしろかったですよ。長女と一番下の息子は、しょっちゅう学校から呼び出しがありました。私も一緒に叱られて、とりあえず謝りましたが、私は子どもを信頼していたので平気でした。外国の町や雰囲気、文化にふれさせたくて、アメリカでキルトのコンテストがあると、学校を休ませて連れていきました」
コンテスト会場にいる間、3人の子どもたちに簡単なパッチワークのキットを渡しておくと、きちんと仕上げるのはなんと、息子の洋輔さんでした。
「どうやら私のキルト好きの血は、息子に流れたようです。私のハワイアン感覚を受け継いだのは次女の雅奈恵かなえ。13歳からフラダンスを踊り、ダンサーと女優になって、最近は料理本も出しました」
洋輔さんはパリのデザイン学校を卒業し、いまはキルトの仕事をするための研修中。今年中には帰国する予定です。その洋輔さんに会いにいくことを口実に、キャシーさんと夫の勝野さんはたびたびパリを訪れ、ついでに北欧やスペイン、イタリアに足を延ばしています。ようやくふたりだけで楽しむ時間が増えたのも、子育てが卒業できたおかげでしょうか。
それにしても、かなり仲のよいご夫婦とお見受けしますが…。
「いえいえ、普通ですよ。ケンカもしますし。でも、性格がまるっきり違うので、怒るタイミングがずれて、お互いに拍子抜けするんです。私は何にでも好奇心を持つタイプですが、彼はまじめで朴訥(ぼくとつ)という言葉がピッタリの人。それでも、こんなにおもしろいことがあるのよ、と誘ってあげれば乗ってくれて、そこから広がる自分の世界を持てる人ですね」

~健康の秘訣は朝のオールブランとココナッツオイル~

ココナッツオイルは寒いと白く固まるので、湯せんにかけて溶かす。1回分はスプーン2杯。お通じがよくなり、スッキリ!
朝食は、腹持ちがよく低カロリーのオールブランにヨーグルトをのせ、ココナッツオイルをかけたもの。プラス野菜ジュースが定番。

図案はすべてオリジナル
初心者用キットも販売

パリで購入したボーダー柄に合わせ、デザインしたタペストリー。四方に広がる緑の葉にアップリケした赤い花模様が愛らしい。

初めてでも簡単にできるキルトキット。左・ハートティアレのトートバッグ7000円、右・ホワイトティアレとモンステラのポーチ4250円(ともに税抜き)
Tel.03-3411-6171(スタジオK3)

いまは健康生活を心がけ70代になったら自由を謳歌

実は5年ほど前、キャシーさん夫妻の前には、長女の七奈美さんを29歳の若さで亡くすという、乗り越えがたい大きな壁が立ちはだかりました。
「自分の力で前に進まなくてはと、自分自身で納得するまでには2~3年かかりました。誰かに頼らず、子どもの足を引っぱることもなく、私の人生をしっかり生きていかなくてはいけないんだと」
もともと前しか見えない性格。やり残したことや気になることがあっても、「ほどほど」「まあいいか」を合言葉に、気持ちの切り替えを図っているそうです。「がんばりすぎるとみんなの迷惑になるから」と言いつつ、作品展の準備、教室での指導、テレビ出演と、ますますパワフルにこなしているキャシーさん。
「やりたいことがまだまだあるんです。まずは、生徒さんたちの作品を飾るミュージアムをつくりたいですね。資金づくりのために宝くじを買ったり(笑)、行政に呼びかけることも考えています」
当分、病気してはいられないので、健康のために食生活を見直したり、旅行先では夫婦でできるだけ歩くようにしたり、地道な努力も怠りません。
「でも70代に入ったら、"暴飲暴食解禁”にしようと思ってます。ついでに暴言もね(笑)。テレビで変なことを発言して、しまった、と思っても、いま何か言いました? くらいの、とぼけた味が出せるといいですよね」
それもキャシーさん流の"自然体”なのかもしれません。いくつになっても人生を楽しむことをあきらめないひたむきさは、ひと針ひと針がやがて感動的な大作の完成へとつながる、パッチワークキルトの世界に通じている気がします。

キャシーさんの新刊
1月22日発売予定

おしゃれで便利な小物がいっぱい。『キャシー中島のハワイアンキルト・ブック』(KADOKAWA)

キャシーさんのすてきなキルトに出会える

1~3月のイベント情報

第14回東京国際キルトフェスティバル

1月22日(木)~ 28日(水)
東京ドーム「キャシー中島の全仕事」
10連作「シャワーツリー」など、
多種多彩な作品を特別展示。
入場料:1900円(前売)、2100円(当日)
小学生以下無料 ※入場料は税込価格です。
問い合わせ先:東京ドームシティわくわくダイヤル
電話:03-5800-9999

キャシー中島 楽園のキルト~春を待ちきれなくて~

1月10日(土)~ 3月8日(日) しもだて美術館
(月曜休館、1月12日は開館、13日休館、2月5日休館)
色とりどりの大作約50点と愛らしい小物など、春を呼ぶ作品を紹介。
2月7日(土)には、「キャシーさんとご一緒に作品鑑賞」のイベントも。
入館料:一般700円・団体600円(10人以上)・高校生以下無料 ※入館料は税込価格です。
問い合わせ先:しもだて美術館
電話:0296-23-1601
茨城県筑西市丙372(アルテリオ3階)
JR水戸線・関東鉄道常総線・真岡鐵道真岡線下館駅北口から徒歩8分