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美しく活きる。 第4回

シニアコム編集部がMASTER会員さんにライフスタイルをインタビュー。

定年まであと1年のところで会社を辞めた

大道芸人をされているお姿を、シニアコムのブログで拝見していました!お名前のとおり「麻布」にお住まいなのですか?

生まれも育ちも麻布十番で、生粋の江戸っ子なんですよ。高校時代は真面目じゃなく、ひょうきんっていう感じ。受験勉強がおもしろくないから、落語同好会の会長なんかもやってましたね。その後の大学時代は剣道一色、4年間真面目に練習しました。思い立ったらすぐ実行。それから、「やる!」と思った以上は徹底的にやって極めたい性格なんです。

大学卒業後は海洋石油開発会社のサラリーマンに。高度成長期真っ只中だったから海外赴任なんかも経験しました。40代で大手通信会社に転職したんだけど、そこから59歳で会社を辞めるまで、ずっと営業職で勤めていたんです。家には寝に帰るだけの無芸無趣味の企業戦士だったわけ。

そこから大道芸人になるまで、何があったんですか?

57歳のころ、かみさんに「あなた定年近くなってくるから、何か趣味を見つけたら?」って言われたの。「毎日、ゴルフとパチンコばっかりのお金のかかるようなことじゃなくて、ちゃんと老後を考えてみたら」って、結構しつこく言われたわけ(笑)。それで、40歳のころに偶然見た『ガマの油売り』のことを思い出したんだよね。それを見たとき、本当にすばらしいな、やってみたいな、って思ったことをふと思い出して、これしかないって。それで、インターネットで検索して、「大道芸研究会」に入ったわけ。今、そこの6代目の会長なんだよね。

行動力が本当にすごいですね。

そこから3年は働きながらも時間を見つけては芸の腕を磨いたんだよ。で、59歳のときに会社の経営陣が変わって、意見が対立して合わなくて、1年分の給料払うから辞めてくれって言われて辞めたわけ(笑)。その時、このまま埋もれてなるものか、ってファイト心が湧いたんだよね。そこからは技芸の習得に努めて、60歳の頃には人前で芸を披露できるようにまでなったんです。

スマートフォンでいつでもどこでも宣伝活動!

十兵衛さんのホームページ、充実してますね。これは誰が運営しているのですか?

全部自分でやってるんですよ。今は、FacebookもYouTubeも全部自分でやってるの。このスマホ買ったのも、外出先で友人知人などに、すぐに画像や映像を見せられるでしょ。私がどんなことをやっているか、その場ですぐ見てもらえるから便利なんだ。また、いつどこで芸を披露するのかの予定も書き込めるし、それが終わったらその日の芸がどうだったかとか書き込めるから、また見てもらえる。今はFacebookを一番利用してるかな。

インターネットやスマホをおおいに活用されていますね。今の若い人たちに劣らないですよ!

さっきも言ったけど、動機があるから一生懸命やるわけ。できない、分からないときは、友だちに聞いたりして、できるようになりたいんだよね。

大道芸を続けてきた中で、思わぬ副産物はITに強くなったことだね。日常的に私の情報を発信できるようになって、友人知人に見てもらえるし、宣伝活動もできる。実際、ホームページを見て、うちにも公演にきてほしい、という引き合いも多くもらえるようになったんだ。

今の夢は、海外公演と、全国ネットワークのテレビに出ること!

大道芸人を続けている一番の理由はなんですか?

僕が座右の銘としているのは、『歩くこと 声を出すこと 挑戦すること そして人に喜んでもらえるものを一つ持て』という言葉。見ているみんなに喜んでもらいたい、笑顔になってもらいたい、と思って、毎回一生懸命芸を披露してるんだ。喜んでもらって、「十兵衛さん、また来てください!」って言われたら、ものすごくうれしいよね。そういうときにやりがいを感じるね。

東京都の「ヘブンアーティスト」のライセンスを取得されたとか。

去年やっと受かったんだよ。合格率20%に満たない狭き門で、受かるまで9年かかったからね。もう最後は執念だよね(笑)。「ヘブンアーティスト」の称号は、落語で言えば「真打」みたいなもの。名刺の肩書きに一番に書いたよ。東京都内の指定活動場所で芸を披露できるから、上野公園、浅草、お台場など、人の多いところに投げ銭稼ぎに行けるわけ。土日はそういった場所で、お客さんに喜んでもらえるように一生懸命芸をやっています。

最後にシニアコムを見てくださっている同世代の方にメッセージをお願いします。

僕の今の夢は、海外公演をやってみたいというのと、できれば全国ネットワークのテレビに出演してみたいってこと。大道芸のおもしろさを広めたいし、日本だけじゃなくて海外でも、もっと多くに人に見てもらって、喜んでもらいたいっていうのがあります。

僕の場合は大道芸だけど、例えば、料理でも、歌でも、介護だったとしても、なんでもいいんです。人様に喜んでもらえることを一つ持つこと。これがあれば、随分と生きかたが変わるんじゃないかな。

最後にバナナの叩き売りに出てくる啖呵をご披露して、締めとさせてください!『五十六十洟垂れ小僧、七十八十働き盛り、九十百で極楽往生、百で坊さん迎えに来たら、耳が遠くて小便近いと追い返せ!』