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突撃!編集部が行く!! 第1回

10月27日(木)、東京都写真美術館ホールにて行われた『追憶』のプレミアム試写会には、美輪明宏さん、奥山和由プロデューサー、小栗謙一監督、原案の升本喜年さんが登壇され、トークショーが行われました。

映画『追憶』

1944年、ペリリュー島にて日米合わせて1万を超す命がこの地に散った過酷な戦いがあったことは今まであまり語られてきませんでした。

この映画『追憶』は、元日本兵、アメリカの元海兵隊兵士、島民へのインタビューと米国防総省、米海兵隊歴史部、米国立公文書館、陸上自衛隊第8師団、NHK、日米双方からの膨大な資料映像から、当時島で何が起きていたのかを描き出すドキュメンタリー映画です。

映画『追憶』のプレミアム試写会後開催されたトークショーでは、美輪明宏さん、奥山和由プロデューサー、小栗謙一監督、升本喜年さんが映画『追憶』について語ってくださいました。
是非、最後までお読みください。

美輪さんの声が必要だった

奥山プロデューサー

まずは、この映画のプロデューサーである奥山和由氏が登場。「10年に一度、衝動的に映画を作りたくなる時があり、今回もそうでした。きっかけは2015年4月に天皇・皇后両陛下がパラオのペリリュー島に行かれた映像をTVで見たときでした。青い海をバックにする両陛下の白い後ろ姿に胸を打たれ、そういえば『愛の手紙』というペリリュー島の本を読んだばかりだと気づき、「よし、映画を作ろう」という思いに至った次第です」と、映画製作の動機について語られました。

「すぐに監督の小栗さんに連絡を入れました。そして、この映画にどうしても必要なもの、欠けてはならないものがあって。ナレーションというか、『語りの声』は美輪明宏さんにお願いしようと、美輪さんの声がなければ、この映画は『映画にならない』と思いました。美輪さんにお願いをしたところ快諾いただけ、このような映画ができあがりました。」 よりよい作品を届けたいという奥山プロデューサーの想いを受けこの作品の語りを担当された美輪さんと小栗監督が紹介されます。

自分の声が役立つなら

美輪明宏さん

美輪さんは「原爆にあい、身近な人々が兵隊に取られ、そんな悲惨な状態を身をもって見聞きしてき、自分の中の想いが声になって作品にうまく溶け込み、お役にたてるなら」と今回参加した理由についてお話しくださいました。

「世界に誇れる高い文化のある日本のもう一つの呼び名『大和』という言葉、『大いなる和の国』という意味ですけど、それこそが日本の真骨頂であって、『戦う』ということは『日本でなくなる』ということなんですよね」と、本来の日本の素晴らしさを認めず軍国主義へ走ってしまった当時の様子を語ってくださったのが印象的でした。

明らかな物量の差

「日本側に資料というものがほとんど残っていない。アメリカには膨大な量のフィルムがあり、情報量が圧倒的に多い。負けることは当たり前の戦争だったことに気づかされた」と奥山プロデューサー。

「今、世界が右傾化していることを憂慮している」と美輪さんがおっしゃると、奥山プロデューサーも「決して昔話ではなく、あの戦争を今の方々にどう伝えていくかということがテーマになっています」と、過去のものとするのではなく、未来へ向けたメッセージであるとおっしゃっておられました。

機械の故障…?

小栗監督

小栗監督が不思議な出来事として語ったのは試写室でのこと。「美輪さんに失礼のないようにということで最新のスタジオと技術者で試写をやりました。ところが戦闘シーンのクライマックスに入ったところで機械が悲鳴をあげたような音を出しまして、結局原因はわからず」「次の日、普通にスタジオは使われたそうで、なぜか美輪さんがいらっしゃると機械が止まるという…」と苦笑い。

美輪さんは不思議体験は慣れっこで「驚きもしませんでした」とおっしゃり、最新機器がそろっているハイテクな行きつけの歯医者さんでも「わたくしが行くと機械が全部止まってしまうの。テープレコーダーもカメラもよく止まっちゃうのよ」と笑いを誘っていました。

最後にひとこと

美輪さんは「若い方たちは二極化していると思います。狂気に突き進む方たちもいれば、礼儀正しく丁寧語も使える『正統派』と言えるような人たちもいる。ですので、日本も捨てたものじゃないなぁと思える。『大和男子』『大和撫子』といえる子たちもたくさん出てきてる。そんなに絶望していません。ペリリュー島で亡くなった方たち、戦争で亡くなった方たちにどうか見守ってやってくださいね、といつも思っているんです」と強く語られ、また小栗監督は「戦争の映画というのはお年寄りがたくさん出てきます。若い人たちは『戦争はお年寄りがやっているんだ』と思っているかもしれません。だけど、この映画を見ていただければ、戦場にいるのは若い人たちばかりだということがわかります。ですから、若い人たちは自分たちの世代が『戦争にかかわっていくんだ』ということに気付いてほしいなと思います。いろいろな方に来ていただいて見ていただきたいと思います」と映画に託した想いを話されました。

「戦争が終わったとき15歳でした。もうすぐ死ぬだろうと思っていました。平和になり、今夜、この映画を見ていただいたみなさんの熱い視線を浴び、こうやって壇上に立っていることを光栄に思い無上の喜びと感じております」と升本さんがおっしゃった後を継いで美輪さんが「今のこの状態がどれだけありがたいことか。食べられる、着られる、安心して眠られる。当たり前だと思っていることがどんなにありがたく幸せなことなのか、ということが、この映画をご覧になるとみなさんお分かりいただけると思います」と説得力抜群のひとことを。奥山プロデューサーが「失敗しましたね、この言葉を映画のラストに入れるんだった」と笑顔で返され、トークイベントは終了しました。



オフィシャルHPはこちら

www.tsuiokutegami.net

※上映日程・劇場はオフィシャルHPでご確認ください