臭いおならを抑える方法　おならはなぜ、出る？

おならが出そう　おならを一時的、抑えるには？

出そうになったおならを抑えるのは至難の業です。
とはいえ、咄嗟のときにおならを抑えるか、あるいは無音、周囲に聞こえないぐらいぐらいの小さな音にすることができなのでしょうか？
おならが出そうになれば、トイレに駆け込む、誰もいない所に行くなどといったことは経験済みの方も少なくないと思います。

では、会議などで移動できないときはどうしたらいいでしょうか？
会議中でもそこで恥かくぐらいなら、迷惑かけてでもトイレに行くことを選択する人もおられるとは思います。

満員電車でトイレのある車両まで距離があった場合……小さいおならの音なら電車の音や車内アナウンスで何とかごまかすことはできるかもしれません。まあ、臭いが出てしまったときはどうにもなりませんが……。

人間って緊迫してくると、すごいアイデアが浮かぶことがありますが、一応、下記の対処法も知っておかれると便利だと思います。

肛門の穴を大きくする

肛門の筋肉(括約筋)は緩めたり、閉めたりと自分の意志で動かすことができます。
おならは空気(ガス)です。膨らませた風船の口を細くして大きく膨らんだ風船を押すと、ブブブーッと音がします。風船の口を拡げれば、音もなく風船はしぼんでいきます。要するに肛門の穴が風船の口に相当すると考えてください。

椅子を利用する

まず、椅子に座り直しているように見せかけながら行います。
どちらか一方の尻を浮かせます。片方は椅子についたままにすると、肛門の穴が大きく広がります。
このとき、目前の資料でも目を通す感じで、上半身を前に少しだけ倒します。
この姿勢にすることで自然とガスが抜けます。抜けが悪ければ、少しお腹に力をいれてみます。大体、ガスが音もなく抜けていきます。
これらの一連の動作をポーカーフェイズで、すまし顔でやってくださいね。

お尻に気を集中し、力を入れる　　息を止めるなど

おならが出そうになる感じがなくなるまでお尻に力を入れ続けます。
お尻に力が入るならどんな姿勢でもOK。
また、息を止めてじっとするのも効果があります。
ただ、これらの方法は、咄嗟の場合の対処法で必ずしも体に良いやり方ではありません。

ツボを刺激する

「これから会議があるけど、何となくお腹が張っているな」と感じたとき。そんなときっておならが出やすいものです。
また、おならが出る心配がなくても、お腹が張っているなと感じたら、下記のツボを用心のために押してみるのも効果的です。

○間使(カンシ)というツボ
手の平を上に向けます。手首より指4本分、上側で中指からのばした線と交わる点が間使といわれるツボです。そのツボを左右交互、2～3分ぐらい揉んでください。
間使は腸の動きを活発にし、腸に溜まったガスを抜く効果のあるツボです。

以上が結構、効果があるといわれる方法です。実際のところ、おならを完全に抑えるのは難しく、体のためにもあまりいいことではありません。しかし、おならの回数を減らしたり、臭いのないおならにすることは可能です。

これから、「おならの回数を減らし、出たおならは無臭」を目指すための解説をします。
まずは、おならが出るしくみを知ることから始めましょう。

おならが出るのはなぜ？

おならはなぜ、出るのでしょうか？
おならって、恥ずかしい、クサイで何一ついいことがないように思えます。
ところが、おならの臭いや回数で自分の健康状態、栄養状態を知ることができます。

おならの中身は腸内に溜まったガス。ガスの9割近くは食事するときに一緒に飲み込んだ空気です。
飲み込んだ空気はゲップとなって外に排出され、ゲップとして出なかった空気は腸の方に行って溜まり、やがて、おならとして肛門から排出されます。
1割の残りのガスは、消化器官で吸収されなかった食物繊維などの食物のカスが腸内細菌によって分解されたときに発生します。
つまり、おならは飲み込んだ空気と腸で分解するときに発生したガスとを合わせたものです。

ところで、おならの音を何とかごまかすことができても、臭いおならが少しでも外に出たことが災いして周りの空気を臭くしてしまうことがあります。
そのため、せっかく無音のおならであってもバレしまうことも。
実はおならには臭くないおならと臭いおならがあります。
この違いは？

臭いおならと臭くないおならはどう違う？

サツマイモはおならが出やすい食材として有名です。
サツマイモに入っているような食物繊維はビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌によって分解され、ガスを発生しますが、そのガス(おなら)は臭くありません。

一方、焼肉とか鶏のから揚げなど、タンパク質中心の食事ばかりしていると、ウエルシュ菌などの悪玉菌が増え、アンモニアやスカトールなどおならを臭くするガスを発生します。

以上を大きくまとめますと、食物性食品からは臭くないおなら、動物性食品からは臭いおならが出やすいということになります。

臭いおならはもちろんのこと、臭くなくてもおならが出るのはちょっと恥ずかしいですよね。
でも、だからといっておならを我慢するのは体にはよくありません。
我慢したために外に出られなかった臭いおならのガスは血液内に潜り込んで全身を回り、体臭や口臭、肌荒れの原因になります。
実は、おならの回数も減らすことができます。

腸内環境を整える

腸内環境を整えるということは、善玉菌が優勢な腸内にすることです。
前述しましたように、まずは臭くないおならを目指すため、善玉菌を増やします。
善玉菌を増やすには食物性食品を積極的に摂る必要があります。
ただ、食物繊維が多いサツマイモやごぼうの食べ過ぎは無臭とはいえ、おならの回数を増やすので、近いうち、大事な接客があるなどとわかっているときは食物繊維の多い食品も少し、控えましょう。

食事の改善

体内に入った空気もおならになります。かきこんで食べると、空気も一緒に体内に入ってしまうのでおちついて食べるようにします。
又、炭酸飲料もおならを誘発しやすいので控えるようにしたいものです。

ストレス軽減

よくストレスなどで話題になる自律神経ですが、自律神経には交感神経と副交感神経があります。
ストレスがかかると、交感神経が優位に働き、副交感神経の働きが弱くなります。
副交感神経は腸の運動を促します。
ストレスによって交感神経が優位になると、副交感神経が抑えられるため、理想通りの腸の動きができず、おならの回数が増えてしまいます。
そのため、リラックスを心がけるなど、副交感神経が優位になるような環境作りをしましょう。

まとめ

たしかにおならは忌まわしい存在ではありますが、健康のバロメーターにもなるという側面もあります。
大げさな言い方ですが、私たちはおならと共に生きていくしかありません。
おならのデメリットをうまくかわしながら、おならを「体の活きたデータ」として活用することにして元気で充実した日々を過ごしていきましょう。

この記事を書いたのは
カエルぴょこ　さん

資格：薬剤師・臨床検査技師
現在、小さな薬局を経営。病気の早期発見、発症予防だけでなく、ダイエット、スキンケア、アンチエイジングなどにも医学や薬学の知識を活用して患者さんのサポートに携わっています。