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美しく活きる。 第21回

シニアコム編集部がMASTER会員さんにライフスタイルをインタビュー。

おもちゃを分解することがおもしろい!

定年までのお仕事は?

大学卒業後、生命保険会社に勤めました。営業管理職と言いますか。女性社員を指導したりリードしたりする仕事でした。50歳になった頃、会社で定年後の生活についてのセミナーがあったんです。定年後の収入はこのくらいになる、といったシミュレーションや、何か目的をもって生活しましょうとか、具体的な定年後の暮らしについてのセミナーでしたね。そのときに、おもちゃの修理をするグループがあると知ったんです。それまで資格なんかも持っていませんでしたし、もともと機械いじりが好きだったので、面白そうだと思い、まだ在職中でしたが、休日を利用して見学に行きました。58歳で会社を退職し、60歳ごろまでは再就職などして仕事をしていたのですが、その頃に、女房が体調を崩して亡くなったんです。62,3歳くらいになったら、女房と旅行などしてのんびり暮らそうと思っていたのですが、それはかないませんでした。本当の意味での定年でしたね。

それは大変でしたね。そこからおもちゃの病院に?

定年して、女房も他界して、自分で時間が決められるようになったので、おもちゃの病院にウエイトを置くようにしました。当時はまだ春日部市内の児童館で月に1回開催する程度でしたが、今は児童館とイオンモールで週に1回開設できるようになりました。基本的にはボランティアで、修理も無料でやっています。報酬をもらってやる仕事ではないので、気楽にやっていますよ(笑)。

今は10数名のメンバーで運営して、一応私が代表という形でやっています。メンバーもそうなんですが、おもちゃを治す、修理する、というよりは、分解する、ということが楽しいんですよ。子供のころよくおもちゃや時計など、分解して親に怒られたりした経験がある方もいらっしゃるかと思いますが、まさにあの感覚ですね。そこがおもしろいんですよ。お預かりしたおもちゃをまずは分解して、ああだこうだとメンバーと話しながら、治していくんです。私は文科系でしたし、仕事も全然関係ない業種でしたが、メンバーの中には技術系出身の者もいて、とても助かっています。

お子さんが喜ぶ姿を目の前で見られるのが醍醐味

何でも安くすぐ買える時代になっているので、おもちゃを修理する、ということにどれくらいのお客さんが訪れるのですか?

昨年の1年間で560件ほどの修理依頼を受けました。今年も今の時点で400件ほどは受けていますね。1回開催すると10件ほど持って来られるお客さんがいらっしゃいます。お子さんといっしょに来られる方もいらっしゃいますが、お母さん、おばあちゃんご自身が、昔使っていたおもちゃなんかもありますね。もちろん、すべてを治せるわけではありません。治している途中で壊れてしまうこともあります。なので、事前にそのあたりはご相談させていただいています。昔のおもちゃで、見た目が非常にいいものなどは、動かなくても飾っておけるのであれば、このままの方がいいですよとお話することもあります。特に古くて開けられないおもちゃなどは、止めている金具が折れてしまうともう治せない。逆に新しいものだとどうやって閉めて作ったんだろうと、開けようにもなかなか開かないといったこともあります。なかなか難しいんですよ。日々勉強です!

治ったおもちゃを受け取られた方は、とても喜ばれるのでは?

お子さんが一緒にいて、治ったおもちゃを渡して喜んで「ありがとう!」なんて言ってもらったら本当にうれしいですね。それが一番の醍醐味だと思います。最近では、一度ご利用いただいたお客様が、リピーターとなって複数点まとめて持ってきてくださることもあります。喜んでいただけて、また来て下さるというのも、本当に嬉しいことですね。

60歳を過ぎたら、地域に溶け込むこと

おもちゃの病院の他に、取り組んでいらっしゃることは?

結構忙しいんですよ(笑)。春日部地区のボランティア連絡会の役員をやったり、大学のOB会の事務局長さんのお手伝いをしたりしています。ボランティア連絡会では、約55団体ほど入っていて、おもちゃの病院もその中のひとつなんです。これくらいならお手伝いできるかなと気軽に役員になったら結構いろいろかり出されて動き回っていますよ。

おもちゃの病院は、週ごとに場所を渡り歩いているので、工具類とか修理する部材とか持ち歩かないといけないんです。特に工具類は重たいので大変なんですよね。だから、常時開設できる場所ができるといいなというのが夢ですね。

今、70歳を超えて思うところは?

60歳のころ、事業をやろうなんてことは全然思わなかったんです。せいぜい10年ぐらいは元気でいられるだろうから、その10年を旅行などしてのんびり暮らすのか、何をしようかと考えた程度なんですよね。だから、今70歳を超えて、この先10年、80歳ぐらいまでは何かできるかなと思うくらいですね。ポツポツと訃報が来ることも増えてきたりして、なんとなくあと10年ぐらいは大丈夫かなと思うくらいですね。一生懸命、将来の夢を描くというよりは、まず今日、今、できることをやっていこうかなと。

最後にシニアコムを見てくださっている方々にメッセージをお願いします。

振り返ってみると、社会人になってからもうすぐ50年になるわけで、ここ10年の定年後の暮らしが、会社生活だったころよりもめちゃくちゃ楽しいんです。今は、本当に自分のこと、自分が楽しめることをやっている。それに尽きますね。

あとは、地域に溶け込むことが必要だなと思います。会社生活の間は、自宅に帰ってきても寝るだけ、自分が住んでいる地域に何があるかなんて全然知りませんでした。いざ60歳を過ぎて地域に目を向けて、新しいところに飛びこむような気持ちになるんだけど、入ってみると、周りの人もかつては同じようなことを思っていた人たちだから、全然大丈夫なんですよね。最初はちょっと勇気がいるかもしれませんが、まずは地域でどんな取り組みがあるのかを調べてみるところからでもいいかもしれません。ネットで調べたり、広報を見たり、情報はたくさん出ています。ぜひそういったところから、自分の住んでいる地域に目を向け、勇気を出して足を運んでみて下さい!