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日野火雅利のファッションコラム おしゃれのススメ Vol.7

楽しくコーディネートできる「スポーツ・ジャケット」の着こなし提案

日常のウエアはすっかりと冬の装いとなりましたが、皆様におかれましては、師走の慌ただしいこの時期最後の追い込みとなっているのではないでしょうか?
そんな時はPARTY のお誘いも様々なスタイルでのご招待により、夜間用の準礼装としての「タキシード」を着る機会もまた多いことと思います。
また、12月早々、007の新シリーズ「SPECTRE(スペクター)」の上映もあり、タキシードを着こなす英国紳士の情報部員ジェームス・ボンドに子供の頃から憧れていたのは私だけでは無いと思います。

さて、今回の「おしゃれのススメ」は男の身だしなみFashionとして、フォーマルウエアを素敵に着こなせれば一人前ということで、「タキシード」を取り上げ、呼ばれた席で惨めなことにならないためのおさらいをしたいと思います。
祝賀会やパーティ、観劇などの招待状が届いた時、ドレスコードに「ブラックタイ」と書かれていれば迷わずタキシードを選びます。他のすべての招待客が同じ装いをしていますから、絶対に外さないようにご注意ください。これは招待した側、また他の招待客に対しても守るべきマナーとして覚えておきましょう。皆さん全員が同じタキシードを着ているからこそ、その場が大人の社交場となってより良い雰囲気を作ってくれるのです。ちなみに「ホワイトタイ」というドレスコードの場合は、必ずテール・コート(燕尾服)の夜間正礼装でなければなりません。こちらは現在では宮中晩餐会、舞踏会、オーケストラの方々などなかなか着る機会はないのでコーディネートの説明は省略させていただきます。

タキシードの基本ディテールとコーディネート

オーセンティックなタキシードの上着はシングルでもダブルでもよく、通常の襟は拝絹付きの剣衿(ピークトラペル)、あるいはへちま衿(ショールカラー)のどちらでもいいとされています。色は黒かミッドナイトブルー。脇ポケットはシングル、ダブルともにフラップなしの玉縁ポケットというのが基本です。トラウザーズは上着同様に黒かミッドナイトブルーです。外側の縫い目に沿ってブレードと呼ばれる黒絹無地の側章が縫い付けてあります。裾は折り替えなしのシングル。シャツは基本的にはレギュラーの白で、ダブルカフスのシャツ。もちろんウイングカラーでも準礼装として活用できます。合わせるのは黒のシルク蝶タイで、同じようにカマーバンドも黒シルクとなります。ポケットチーフは白麻が基本ですが、白のシルクでも構いません。靴はリボンがついたオペラパンプスというエナメルシューズが最適ですが、エナメル素材のオックスフォード(プレーントゥ)、ストレートチップスなども公式にはOK です。エナメル素材がどうもという方には、よく磨かれた上質なカーフのプレーントゥがいいでしょう。

では、ディテール等をひとつずつご説明いたしましょう。まずは代表的な上着を3点ご紹介いたします。基本コーディネーションはシンプルです。

1.一番オーセンティックなへちま襟(ショールカラー)のタキシード

ボタンは共生地でくるみボタンとなっています。このタイプを一つは持っていると色々な場面で重宝いたします。スラックスは、両サイドに側章があること。サイドの縫い目に沿ってつけられる絹のテープで、燕尾服では2本で、タキシードでは1 本となります。また、普通のスーツのようにベルトループはない代わりに、サスペンダーを用いるので留めるボタンが前の左右に2個ずつ、後ろに2個取り付けられています。

2.剣衿(ピークトラペル)のタキシード。

上衿は身頃と共生地で、ピークトラペルの部分がシルクの拝絹となっています。へちま衿と違う点は、少しスタイリッシュなイメージが出せることでしょうか。

3.剣衿の6つボタンダブルブレステッド・タキシード。

こちらは少し威厳さを醸し出すイメージでしょうか。やはりピークトラペルは拝絹になっています。

タキシードのインナーを紐解く

タキシードに合わせるのは必ずドレスシャツです。色は白でドレスシャツの袖はダブルカフスであるのが基本ですので、カフリンクス(カフスボタン)は必須です。ゴールドのものが最適ですが、ゴールドと黒の半貴石(オニキスタイプ)のコンビネーションのものもいいですね。他にはラピスラズリ等の濃いブルーなどもおすすめです。また、ドレスシャツのフロント部分は、取り外しのできるスタッズ(飾りボタン)というボタンで留めるものが多く、カフリンクスとお揃いでセットになって購入することができます。また、ドレスシャツにはフロントが比翼仕立てになっているものもあります。フロントに縦か横方向にタックが入ったり、コットンピケで裏当てされているものもありますが、これは座った時にもフロント部分がずり上がらないようにするためです。招待状に「ブラックタイ」とあれば必ず黒の蝶タイと共布のカマーバンドを合わせます。カマーバンドはズボンをたくし入れた部分を覆うように使います。これはインド人が腰に巻く飾り帯のサッシュが変化したもので、ヒンドゥー語で「カマーバンド」と呼ばれています。かつては小さなポケットが縫い付けてあり、今でも折り目を上向けに巻くのはその名残です。

タキシードのインナーに凝る

ドレスコードがブラックタイではないけれどタキシードを勧められた場合に、他の人とは少し差別化したい諸兄には下記のようなコーディネートをお勧めしたい。フォーマル・ファッション的には略式(ファンシータキシード)の着こなしとなります。

A.トラディショナルなイメージに紺地に白のドットの蝶タイとカマーバンドをコーディネート。 B.こちらも明るめのエンジにドットの蝶タイとカマーバンドのセットで、ポケットチーフには強烈 な赤でポイント。
 
C.へちま衿の替えベストでよりファンシーにコーディネート。
お友達のPARTY などもっと気楽な時の集まりなら是非オススメです。

ポケットチーフのバリエーション

胸ポケットにしまっておくハンカチーフは、必ず白の麻で清潔でなければなりませんが、シルクのチーフでエレガントさを出すのもいいでしょう。ダンスや食事の後に汗を拭くのもよし、またポケットの無いイブニングドレスを着ている淑女のために使ってもいいのです。でもポケットチーフは、色々とアレンジできる唯一の楽しみですので、ポケットにしまう方法を幾つかご紹介いたしましょう。

 ストレート・フォールドアンフィニッシュド・フォールド
     
パフ・フォールドワンピーク・フォールドフォーピーク・フォールド

フォーマルシューズの選択

フォーマルシューズで、タキシード用に選ぶベストチョイスはエナメル素材のオペラパンプスですが、エナメルであれば下記のようなタイプを選択しても差し支えないでしょう。
また、エナメルはちょっと恥ずかしいという方には、ストレートチップやオックスフォード(プレーントゥ)の外羽が張っていないエレガントでスリムなタイプなら問題ありません。

*カーフスキンなどのエレガントでシンプルなオックスフォード(プレーントゥ)シューズならエナメルでなくともOK です。

タキシードの由来

「タキシード」は北米に特有の呼び方で、1886年に初めてこのジャケットが登場したとされるニューヨークのタキシード・パークからきています。紛らわしいことに、ドイツ語圏では、「スモーキングジャケット」と呼ばれ、英国では「ディナージャケット」と呼ばれています。

さらにドイツ語圏で「ディナージャケット」は、白のタキシードを示します(英国では、「白いディナージャケット」という)。いずれも上着のことですが実際には上下の揃いを示しています。タキシードの考案者とされています、タバコ会社の相続人グリスウォルド(グリッツィー)・ロリラード氏が、1886年10月10日、ニューヨークのタキシード・パークにあるタキシードクラブに姿を現した時、彼が来ていた夜会服(テール・コート)には、燕尾の部分がなかったといいます。この日がいわゆる「タキシード」の誕生日として歴史に残り、その上着は誕生地の地名にちなんで名付けられました。

1986年10月10日、タキシード誕生100周年を祝う祭典がアメリカフォーマルウエア協会によって開催され、その機会に考案者としてのロリラード氏を褒め称えています。

また記念のその年、ロンドンのサヴィル・ロウ15番地にある紳士服の老舗ヘンリー・プールのアンガス・ガンディー社長は、次のように語っています「うちの店では、1865年から英国皇太子のために短い丈のスモーキングジャケットを作っていたよ」、と・・・・。

タキシードの基本的コーディネート提案は、いかがでしたでしょうか?

今回も商品は全てサンプル(私物)でのご提案ですが、フォーマルウエアを扱っているメンズ・ショップにお出かけいただければ同じタイプ商品は揃っていますし、オーダーも可能です。タキシードを選ぶとき、パーティ会場は部屋の中ですので、冬場もかなり暖かいということを念頭にあまり厚手の素材よりは軽めのものを選んだ方がいいと思います。

常にスーツを着ている方なら、タキシードをスーツと思えばもっと気軽に着られますし、バリエーションも色々と豊富なのでコーディネートの幅を増やしてPARTY での主役になれば最高ではないでしょうか?また、素敵なコーディネートにも挑戦してみてください。

しかし、昼間には着ないということだけはご注意ください。

気分を高揚させてくれるタキシード・スタイルで年末の主役を目指して楽しくお過ごしください。

今年は今回で最終となりましたがこの一年色々と情報をご提供できたこと感謝いたします。
ご意見や今後の特集等ご希望ございましたら、編集部の方へお送りください。
できる限りご対応させていただきます。
来年も引き続きご笑覧いただければ幸いです。

Merry Christmas & Happy New Year!!
皆様にとって2016年が良い年でありますようお祈りいたします。

日野火雅利のファッションコラム
[ファッションイベントレポートとおススメコーディネート提案]

日野火雅利

日野火雅利 Kagari Hino

クリエイティブ・ディレクター

服飾のデザインを学び、大学在学中よりスタイリストとして70年代より業界で活躍。ピンクレディ、松崎しげるなどのレコードジャケットやファッション広告、雑誌Men’s Club、GORO、Hot dog Pressなどのファッションページのスタイリングの後、雑誌Check Mate、スコラ等の様々なファッションページの企画編集、スポーツウエアやブランドの広告制作などに関わる。

90年代はMen’s EXのファッションページ、ファッション・ブランドの広告制作を含む、クリエーティブ・ディレクションを経験。ラグジュアリーを軸に富裕層ビジネスの中で様々なシーンの企画に関わる。また、営業開拓、ビジュアル・マーケティング、広報企画などもアイデアを踏まえて提案。近年では富裕層向けに高級消費財作家・芸術家、レストラン等の企画取材のディレクション、雑誌制作の編集責任者として活躍後、現在ファッションを中心に企画編集・制作等クリエーティブ・ディレクターとしてマルチに活動中。