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日野火雅利のファッションコラム おしゃれのススメ Vol.8

楽しく着こなす大人の男の粋「きもの」のススメ

もう2月(如月)になったとは時間の経つのも早いものですが、立春とは名ばかりで本格的な寒さはこれから。皆様におかれましては流行のインフルエンザなど風邪をひかないで元気にお過ごしのことと存じます。

今回のおしゃれのススメVol.8 は、『楽しく着こなす男の粋「きもの」のススメ』をご提案させていただければと思います。
日本人として“大人の男の粋”とはきものを素敵に着こなせることではないでしょうか?
また、最近はカッコよく着物を着こなす男性も多く見かけるようになりました。
私はきものの専門家ではないのですが、きもの暦は15 年。
20歳の成人式にウールのアンサンブルきものを着てから15 年前まで正絹のきものを着ることは一度もありませんでした。また、それ以前きものに関心を持ったのは、今では若者から外人さんまで夏の風物詩となる花火大会での装い、「浴衣」を着るようになったのが、最初にきものに対して興味を持つきっかけであったかと思います。
40代半ばを過ぎた時、衝動的にきものを着たいと思い、安価でいいものを探しました。いろいろと検索をした結果、“リサイクルきもの”というものがあることを知り、まずその宝箱のような中からいい物を見つけ出し、数着のきものとめぐり合い、素材や柄などを覚えるきっかけとなりました。日本全国にはきものの産地がたくさんあることもわかり、より興味といろいろな種類の素材に関心が移るようになったのです。いいもの探しは時間と労力が要りますが、今回ご紹介するきものの中には 御召 おめし 、大島紬や、変わったところではヒゲ紬など昔のいい素材のきものともめぐり合うことができたのです。もちろん現行のきもの屋さんで色々とアドバイスや高価なきものともめぐり合いましたし、男のきものの奥深さを味わうことも素敵な体験となっています。まだまだ知らない事ばかりですが、情報を探るのが好きなタイプなので今でも新しいことを知りながら日々楽しんでいます。
そんなこともあり、今回は皆様へ洋服とは違った「きもの」の楽しさと、あまり紹介されていないきものの脇役でもある小物や隠れ美の長襦袢などの楽しみ方などもご紹介させていただきます。
今では親しい方のパーティー、ちょっとした集まり、またお正月の訪問等できものを着る機会も増えています。結婚式、観劇、食事会やお茶会など出かける先の“格合わせ”などの多少の決まりはあるので、インターネットなどで事前に調べておくことをお勧めいたします。そうすれば、その場で恥をかかないと思いますし、普段から色々と度重ねて着こなしていると、きものの良さを肌で感じ、着こなせるようになるので、まずは浴衣や手頃な価格のものから始められるといいかと思います。
これからの人生に“大人の男の粋“を楽しめるよう「きもの」を取り入れて毎日の装いのヒントにしていただければ幸いです。

第一章:きもののコーディネート提案

1. 茶・黒系の「 御召 おめし 」で揃える上品な着こなし

見た目はアンサンブルですが、羽織と長着の素材感を変えて楽しみます。

羽織は無地の濃淡縞模様。 しぼがアクセントの「御召」の長着。
帯は織地が明るめでアクセントを付けます。 羽織紐はゴールドで豪華に。

2. 長着と羽織に濃淡でコントラストを付けた着こなし

ゴールド系のチェック柄の長着に茶のヒゲ紬の羽織を合わせ、半衿は明るめのブルーで若々しく装います。

紬の羽織はヒゲが飛び出たような織り方の「ヒゲ紬」。 一つは持っていたい博多帯。

3. 羽二重 はぶたえ の黒の羽織と大島紬の長着の組み合わせ。

モノトーンのきものは落ち着いた雰囲気を醸し出します。

羽織の背には一紋付の刺繍がされていて略礼装としても可能。
帯は明るいゴールドとブルーの織柄でアクセントを。 遠目ではグレーに見える大島紬の長着。

4. ひとつは持っていたい紺色の長着と羽織の同系色の組み合わせ

ざっくり目と艶やかな紬。産地の違う紺系同士でコーディネート。

上質なゴールド系の織柄の角帯。
羽織紐は円形の石をアクセンントに2連使いの紐で繋いだ洒落着用。 羽織の背中には刺繍の一紋付。

4つのコーディネートはいかがでしたか。コーディネートは羽織を変えるだけで幾通りにも可能ですし、茶系と紺系のアンサンブルが2着あれば用途も色々と楽しめると思います。

第二章:きものをさらに楽しむ隠れ美と小物使い。

A. 長襦袢に凝る。

見えないところに凝るのもきものの楽しみですが、長襦袢はさらに柄を楽しむ魅力があります。
素材もウール、もめん、絹、モスリン、ポリエステル、麻、縮など様々ですが、個人的にはモスリンと絹がオススメです。

※長襦袢につける半衿も様々な色合いがありますので、きものとの相性でコーディネートしましょう。

B.「 羽裏 はうら 」が粋さを演出。

あわせ 仕立ての羽織の裏布のことを「 羽裏 はうら 」と呼びます。上等なものには紋羽二重や紋綸子などがあり、後ろ身頃を一枚の絵画風に仕立てた「額裏」と呼ばれるものもあります。江戸時代に奢侈禁止令が出され、それまでに表面に出されていた模様や色を内に隠してお洒落を楽しむようになり、その隠れ美の名残りがきものの下に着る長襦袢や羽織の裏に引き継がれ、現在に至っているのです。

C.羽織紐は色々とあるとコーディネートに遊びが生まれます。

組紐で作られる羽織紐は、女性の帯留めのようなもの。礼装用は白を使いますが、お洒落着としては自由です。

○シンプルな平組の羽織紐は何色か持っていたいですね。

○ 男の着物アクセサリーの唯一と言っていい羽織紐は、珊瑚や輝石、鉱石、宝石などを使ってオリジナルを完成させれば楽しいコレクションになります。自分だけのオリジナル羽織紐を是非制作してほしいと思います。

珊瑚と自然石のコンビネーション。 円形の自然石と2連使いの紐で作った洒落着用。
淡水真珠のブレスレットをアレンジしたもの。 カラーの真珠を数珠状に並べて華やかに。

D.着物の懐にしまっておくにはもったいない日本手ぬぐいの粋。

藍染やモノトーン、3色染めなどいろいろなカラーリングと柄で楽しませてくれる日本手ぬぐいは、着物の懐にしまっておくものですが、コレクターも多く着物を着る季節や好みの柄などで、毎回セレクトして楽しまない手はありませんね。

E.足袋は礼装・お茶席用の白が基本。

街着用に色足袋や小紋足袋を揃えて、足元をお洒落に演出しましょう。

F.TPO に合わせて雪駄や草履、下駄を選ぶ

礼装用は白の鼻緒で畳表の雪駄が基本です。着物の場合も洋服と同じで足元が大事ですが、エナメルの台が付いている草履、パナマや竹皮、藤などの雪駄は色々と材質によって価格が異なります。写真の草履は普段使いの安価なもので、色々な着物に合わせることができます。下駄は白木の台に黒の鼻緒が定番で、浴衣や着流し、袴姿に合わせるとリラックスしたイメージになります。

G.楽しいコレクションになる和装用のバック。

着物よりも柔らかい素材が好まれて基本的には布製が良いとされています。
合財 がっさい 袋や巾着などの袋物が雰囲気ですね。

きもののコーディネート、隠れ美と和装小物は、いかがでしたでしょうか?
今回きものを深く説明することにはスペースの都合で薄っぺらになるのは避けたかったので、自分流のコーディネートと隠れたオシャレや小物の楽しみなどに重きを置かせていただきました。商品は全てサンプル(私物)でのご提案ですが、インターネット上の「男のきもの」で調べますとたくさんの情報と近くのお店などが検索いただけます。また、着物のことで困った時はお店の達人に聞くことを推奨いたします。
まずはともあれ日本男児として勇気を持って着物を着てお出かけいただければ周りの見る目が気になること請け合いです。また、ちょっとした集まりにきものを着て行くとみんなの注目度も増すことでしょう。
夏になれば浴衣の楽しみもありますので、ぜひ1 年を通してきものを着てみてください。また、きものを着ると必然的に腰が伸びて姿勢も良くなりますので、健康面でもいいかと存じます。

最初は紺や茶系の無難なものを選び、慣れてきたら淡い色に挑戦し、羽織の種類なども増やせばたくさんのコーディネートを楽しめます。いろいろな柄、色、素材、また和装小物などにも挑戦していただきたいと思います。
今まで試す機会がなかった方にもきものを着た時のなんとも言えない感覚と日本人はどんな方も似合うという実感があり、着れば着るほどに自分らしいきもの感を持つので、時間と場所を選びながら楽しんでいただければと思います。
これからお花見の時季になりますし、様々な行事の時にも着物でお出かけというスタイルを心がけていただければ嬉しいですね。

まだまだ寒い日が続きますがインフルエンザなど風邪に気をつけて、お体ご自愛ください。
次回の3月の取材レポートもどうぞ楽しみにお待ちいただければ幸いです。

※参考:着物のオススメサイト
1. 銀座くのや http://www.ginza-kunoya.jp/
2. 銀座もとじ http://www.motoji.co.jp/
3. 銀座いせよし http://www.iseyoshi.com/
4. 男の着物指南 http://kimonoo.net/index.html
5. 着物男子.com http://kimono-danshi.com/
6. 男の着物大全 http://www.kimono-taizen.com/
7. たんす屋(リサイクル着物)http://tansuya.jp/

日野火雅利のファッションコラム
[ファッションイベントレポートとおススメコーディネート提案]

日野火雅利

日野火雅利 Kagari Hino

クリエイティブ・ディレクター

服飾のデザインを学び、大学在学中よりスタイリストとして70年代より業界で活躍。ピンクレディ、松崎しげるなどのレコードジャケットやファッション広告、雑誌Men’s Club、GORO、Hot dog Pressなどのファッションページのスタイリングの後、雑誌Check Mate、スコラ等の様々なファッションページの企画編集、スポーツウエアやブランドの広告制作などに関わる。

90年代はMen’s EXのファッションページ、ファッション・ブランドの広告制作を含む、クリエーティブ・ディレクションを経験。ラグジュアリーを軸に富裕層ビジネスの中で様々なシーンの企画に関わる。また、営業開拓、ビジュアル・マーケティング、広報企画などもアイデアを踏まえて提案。近年では富裕層向けに高級消費財作家・芸術家、レストラン等の企画取材のディレクション、雑誌制作の編集責任者として活躍後、現在ファッションを中心に企画編集・制作等クリエーティブ・ディレクターとしてマルチに活動中。